お役立ち情報
犬の皮膚病が判明してから、適切な治療はもちろん大切です。
治療を指示されるとそれで治ったつもりになってしまうことが多いですが、実際にそれで終わりではありません。
皮膚はきちんと改善していますか?
皮膚病と向き合うことは長期戦になることが多いです。
なかなか治らない場合、どんなことが原因と考えられるのでしょう。
脱毛や赤み、皮膚を痒がるなどの異常を見つけた場合、動物病院を受診する流れになることが一般的です。
もしかすると、飼い主さん自身ではなく、トリマーさんやペットホテルの預け先などで指摘されて気付くケースもあるでしょう。
受診をしてから検査などを経て、診断がつき、治療がスタートされます。
一時的なものであれば、赤みや痒みなどがおさまって、治療が終了になるケースもあります。
しかし、皮膚コンディションが不安定な場合は、症状が落ち着いた後も、予防的に治療が必要になることも多いです。
獣医さんに今後のケアのプランなども確認するとより安心です。
様々な皮膚病がありますが、皮膚病によって治療方法が異なります。
皮膚病の治療のゴール地点は犬への負担を軽減し、健康な皮膚の状態を維持することです。
そのため、投薬がすべてではなく、次の様なスキンケアや皮膚に影響する環境の見直しなども治療の一環に含まれます。
皮膚病であることがわかった場合の多くは、薬を処方されるケースが多いです。
内服薬の場合、方法を誤る可能性は低いかもしれませんが、外用薬の場合に適切かどうかを確認する必要があります。
皮膚を清潔にしたうえで塗布することや、塗布の際の量、塗り方なども適切でないと効果があまり見られない場合もあります。
健康な皮膚を維持するためには、日々のスキンケアも大切です。
健康な皮膚の場合、皮膚バリアがあって、健康に維持するために常在する菌の増えすぎを防いだり、乾燥しすぎないように維持されています。
しかし、デリケートな皮膚のコンディションの子の場合、皮膚の状態が不安定になりがちです。
少しでも皮膚を健康に維持するために、皮膚表面を清潔にするようシャンプーをしたり、こまめに保湿をするなどの必要がある場合があります。
スキンケアはその子に適した方法である必要があるため、皮膚病が発覚した際は完治した場合でも、予防のために適したスキンケア方法を聞いてみることをお勧めします。
アレルギーのある子は、アレルゲンを含まない食事への変更が不可欠です。
アレルギーが無くても、より健康な皮膚を作るため、皮膚に良い成分が多く含まれるご飯を食べて、内側からも健康な皮膚づくりをすることが理想とされています。
例えば、炎症を起こしにくくするよう不飽和脂肪酸が含まれていたり、皮膚や被毛の減量となるメチオニンやシスチン、表皮を健康に保つビタミンAなどは有意義でしょう。
より健康な皮膚を維持するためのごはんには含まれていることが多いので、フードの切り替えなどを検討しても良いかもしれません。
治療を始めて、ある程度時間がたつのに全く状況が変わらなかったり、悪化している場合は、何か原因がある可能性が高いです。
より状態をよくするために、原因の改善が必要です。
アレルギーなのにアレルゲンが含まれるものを与えてしまっていたり、シャンプーの頻度や方法が適切でないことから治らない可能性があります。
治りが悪いと感じる場合、治療を指示してもらった先生に自身のしている方法を伝えて正しいか確認してみるのも、間違っている点を見付けるきっかけになるかもしれません。
治りを悪くするような疾患が背景にある場合もあります。
高齢の犬の場合、内分泌疾患により、免疫力を低下させるクッシング症候群や代謝機能を低下させる甲状腺機能低下症と呼ばれる病気の可能性もあるのです。
さらに、内分泌疾患は、皮膚のコンディションを悪化させたり治りを悪くさせることもあります。
年齢を問わず、何種類かの皮膚病が合併している場合に、状態を悪化させ、治りを悪くさせることがあるので注意が必要です。
犬の皮膚病は、診断後に適切な治療法を指示してもらって終わりではありません。
家庭で薬の適切な使用方法だけでなく、スキンケアや日々の生活環境のすべてがその子に適したものでないと皮膚の改善は見られにくいでしょう。
治らない場合は、何か欠けているものや改善点があるのかもしれません。
治療方法が見つかって終わりではなく、その後も皮膚のチェックを怠らずに、状態の変化を確認することを心がけることをお勧めします。
皮膚の改善は長期戦になることが多く、体質や生活環境などの皮膚に直接関係の無さそうなことでも、コンディションを左右する要因になり得ます。
改善をしてみて、状態が良い方向に向かわない場合は、トリマーさんや獣医さんなどの専門家に相談してみましょう。
愛犬の負担を早く軽減してあげられるかもしれません。